ZIPANG-8 TOKIO 2020 令和6年 京都御所 新春の展示!ご案内【宮内庁】


令和6年 京都御所 新春の展示について

宮内庁京都事務所は、新年に、京都御所において、新春にふさわしい展示を行います。

今回は、古来瑞鳥として愛でられてきた鶴の襖絵を展示します。


群鶴松梅 中島来章 筆 安政二年(1855年)制作


本展示では、新年にふさわしく、古来瑞鳥として愛でられてきた鶴の襖絵8面を展示します。襖は京都御所の上の間にあるもので、金砂子を用いた霞の中に鶴の群れが画かれており、北面では松が枝を広げ、西面では白梅が絵に華やぎを添えています。


筆者の中島来章は(1796~1871)は、京都で大きな勢力を誇った丸山派の幕末における中心人物で雅号には「鶴江堂」と鶴の字を用いています。
来章は同時代の横山清暉、岸連山、塩川文鱗と共に「平安四名家」と評されました。


今後も毎年、新春にふさわしいものを展示する予定です。


1 期間

令和6年1月5日(金)から1月8日(月・祝)までの4日間

2 入門時間

午前9時から午後3時20分まで(最終退出時刻は、午後4時です。)

3 展示場所

京都御所 宜秋門番所(ぎしゅうもんばんしょ)

展示場所



4 展示物

「群鶴松梅(ぐんかくしょうばい)」(京都御所御花御殿 上の間 襖絵)


                  御花御殿


                   上の間


5 その他

・申込手続不要で見学できます。

・入場は無料です。

・密集状態の発生を防止するため、入場を制限する場合があります。

・手荷物検査を実施します。


補足~実施報告~

秋の特別公開「京都御所 宮廷文化の紹介」を開催(京都御所(京都市上京区))


11月22日(水)から26日(日)までの日程で、令和5年秋の特別公開「京都御所 宮廷文化の紹介」を開催しました。この特別公開は、平安時代以来の宮廷の文化を国内外の方々へ広く紹介する取組として、春と秋の年2回行っています。今季は天候にも恵まれ、5日間で23,021人の来訪がありました。


襖絵や生け花の展示、紫宸殿(ししんでん)や御常御殿(おつねごてん)の室内の公開、管絃・雅楽・蹴鞠(けまり)の実演が披露されました。


本報告では、特別公開の様子と主な内容について紹介します。


入門の様子


順路の様子


                  会場案内図


【襖絵の展示】

宜秋門番所(ぎしゅうもんばんしょ)の展示スペースでは、襖絵「四季花鳥図」を展示しました。


         四季花鳥図 岸岱(がんたい )筆 安政2年(1855年)


「四季花鳥図」は、孝明天皇の女御(にょうご)である英照皇太后や明治天皇の皇后である昭憲皇太后のご生活の場であった皇后宮常御殿(こうごうぐうつねごてん)の御寝(ぎょしん)の間に飾られた、春夏秋冬の花木や鳥を画がいた襖絵です。


展示した襖絵は、秋から冬の景を表しており、左側3面には、秋らしい紅葉の下に萩・芙蓉(ふよう)、菊や鶏頭(けいとう)などの花々と雀や鶉(うずら)などがバランスよく配され、右側3面には、冬の景を表す山茶花(さざんか)や南天を大きく画き、その周りに配された水辺の鴛鴦(おしどり)や南天の実を咥えるひよどりなどが生き生きと画かれます。


【御常御殿室内の公開】

通常は非公開である御常御殿の上段の間・中段の間・下段の間の室内を公開し、建築の特徴・障壁画(しょうへきが)・使われ方などをパネルで紹介しました。


                室内公開の様子


                室内公開の様子


御常御殿は、豊臣秀吉による天正18年(1590年)の内裏(だいり)御造営の際に、古代より天皇の日常のお住まいであった清涼殿からその機能を独立させて建てられた御殿です。


現在の御常御殿には、孝明天皇や明治天皇がお住まいになり、明治2年に東京にお移りになった後も、明治天皇、大正天皇及び昭和天皇が、第二次世界大戦中に至るまで京都ご滞在の際にお使いになりました。


              蔀戸と床面の段差の様子


       上段の間 天皇の御座(ござ)と帳台構(ちょうだいがまえ)


上段の間・中段の間・下段の間の3室は、畳を敷き詰め、床面の段差や天井の仕様を変えて室内の空間の序列を表すなど、書院造の様式がみられます。その一方で蔀戸(しとみど)を備え、天皇の御座(ござ)の後ろに剣璽(けんじ)の間の入口となる帳台構(ちょうだいがまえ)を設けるなど、古代以来の宮廷文化の特徴も併せ持っています。


上段の間 桐竹鳳凰(きりたけほうおう)図 狩野永岳(かのうえいがく)筆
安政2年(1855年)


上段の間 尭任賢図治(ぎょうにんけんとち)図 狩野永岳 筆 安政2年(1855年)


中段の間 大禹戒酒防微(たいうかいしゅぼうび)図 鶴沢探真(つるさわたんしん) 筆
安政2年(1855年)


下段の間 高宗夢賚良弼(こうそうむらいりょうひつ)図 座田重就(さいだしげなり)筆
安政2年(1855年)


【管絃・雅楽・蹴鞠の催し】

期間中は、展示のほかに管絃・雅楽・蹴鞠の実演も行いました。実演前には、開演を待つ多くの人々の姿が見られ、終演時には大きな拍手が沸き起こりました。


春興殿(しゅんこうでん)前での管絃の様子(いちひめ雅楽会)


承明門(じょうめいもん)での管絃の様子(いちひめ雅楽会)


春興殿前での雅楽の様子(平安雅楽会)


春興殿前での蹴鞠の様子(蹴鞠(しゅうきく)保存会)



蹴鞠は、約1,400年前に、中国から日本に伝えられたといわれる球戯の一種です。蹴鞠は勝敗を争うものではなく、いかに蹴りやすい鞠を相手に渡すかという精神のもと行われるものです。


鞠装束姿で8人で輪になり、鹿革製の直径約20センチメートル、重さ約120グラムの鞠を蹴り上げます。


蹴り上げる際には受け渡しの合図である「アリ」「ヤア」「オウ」の声をかけますが、これは鞠の精とされる「夏安林げあんりん」「春楊花しゅんようか」「秋園しゅうおん」に由来するとされています。


蹴鞠をする人を鞠足まりあしと称し、鞠足の階級によって烏帽子の種類や装束の色や文様などが決められています。


京都御所 小御所と御学問所の間の「蹴鞠の庭」


11月26日に蹴鞠が披露された鞠庭


蹴鞠を行う場所を、鞠庭(まりにわ)、鞠懸(まりかかり)、鞠壺(まりつぼ)、鞠場(まりば)などと呼び、広さは約14メートル四方で、その四隅には松・桜・柳・楓といった式木(四季木)が 植えられます(特別公開「京都御所 宮廷文化の紹介」では青竹を切ったものを立てて代用)。


京都御所の「小御所」とその北側にある「御学問所」の間には小庭があり、これを「蹴鞠の庭」と呼んでいます。 この場所で行われた蹴鞠の催しを御学問所から天皇がご覧になったという記録があります。


京都御所御常御殿(おつねごてん)


御常御殿東御縁座敷(おつねごてんひがしごえんざしき)画:岡本亮彦


蹴鞠は球戯ではありますが、位により決められた場所から鞠庭に入る、枝に取り付けた鞠を解く、使用する鞠の調子を確認するなど、蹴鞠を始めるまでに細かい作法があります。


また、蹴る時にも作法があり、上半身は動かさずに穏やかさを保ち、かつ足は摺すり足で右・左・右の運びの三拍子に合わせて動かしながらも「うるわしく」右足で膝を伸ばしたまま地面に近い位置で蹴り上ることとされています。


日本では、時代によって宮中において盛んに鞠会が催され、平安時代中頃以降の古文書には、鞠会の記述がしばしば見られます。京都御所の御常御殿東御縁座敷(おつねごてんひがしごえんざしき)には式木の中で蹴鞠をしている様子が画かれる杉戸絵があります。


鎌倉時代には、武士階級でも盛んに蹴鞠が行われるようになり、室町時代を経て江戸時代に入ると、徐々に一般庶民にまで普及し、謡曲・狂言・浮世草子など様々な所でも題材になりました。


しかし、明治維新以後、蹴鞠も一旦途絶えましたが、明治36年(1903年)に明治天皇のご下賜金により、有志による保存会「蹴鞠しゅうきく保存会」が結成され、今日に至っており、春と秋に行われる特別公開「京都御所 宮廷文化の紹介」の折には、蹴鞠が披露されています。


          令和5年12月20日 宮内庁総務課広報室 実施報告より出典


次の特別公開「京都御所 宮廷文化の紹介」は来年春に開催予定です。



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使


協力(順不同・敬称略)

宮内庁 〒100-8111 東京都千代田区千代田1-1 電話:03-3213-1111(代表)

紅山子(こうざんし)


※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。



アーカイブ リンク記事をご覧ください。


京都御所 建春門


京都御所・京都御苑

794年、桓武天皇が平安京へ遷都した当時の内裏(御所)は、この京都御苑から約2km西に位置していました。現在の京都御所は内裏の焼失等の際に、天皇の仮住まいとなった里内裏のひとつである東洞院土御門殿に由来するもので、1331年(元弘元年)、光厳天皇がここで即位されて以来、御所とされたものです。

1392年(明徳3年)の南北朝合一によって名実ともに皇居に定まり、明治に至るまでの 約500年の間、天皇の住まいでした。建物自体はその間も焼失を繰り返し、現在の建物は安政2年(1855年)に平安時代の内裏の姿にならって再建されたものです。


ZIPANG TOKIO 2020「京都御所 宮廷文化の紹介」<平成29年秋>について
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/3033508/



新年一般参賀令和5年1月1日


令和5年の新年一般参賀でのおことば

天皇陛下

新年おめでとうございます。

この3年近くにわたり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大などによって、皆さんには、多くの御苦労があったことと思います。

3年の月日を経て、今日、こうして、皆さんと一緒に新年を祝うことを誠にうれしく思います。

いろいろ大変なこともあるかと思いますが、本年が、皆さんにとって、安らかで良い年となるよう願っています。

年の始めに当たり、我が国と世界の人々の幸せを祈ります。


ZIPANG-6 TOKIO 2020新年一般参賀(令和5年1月2日)& 京都御所 新春の展示(令和5年 干支「卯」)ご案内
https://tokyo2020-6.themedia.jp/posts/40377414



京都迎賓館藤の間‐ふじのま‐


京都迎賓館

Kyoto State Guest House

京都迎賓館は日本の歴史、文化を象徴する都市・京都で、海外からの賓客を心をこめてお迎えし、日本への理解と友好を深めていただくことを目的に平成17年に建設されました。

歴史的景観や周辺の自然環境との調和を図るため、日本の伝統的な住居である入母屋屋根と数寄屋造りの外観をいかし、築地塀を巡らせた品格のある和風の佇まいを創出しています。建設に当たっては、数寄屋大工、左官、作庭、截金(きりかね)など、数多くの伝統的技能を活用し、京都を代表する伝統技能者の技が生かされています。

また、調度品についても西陣織や蒔絵(まきえ)、漆などの伝統的技能を活用した家具を配置しています。

東京(赤坂)に位置する洋風建築の迎賓館赤坂離宮とあわせ、国公賓などの賓客の接遇の場としての役割を果たします。


The Kyoto State Guest House is located in Kyoto, a traditional and culturally rich city of Japan. The facility was built in 2005 for the purpose of welcoming guests from abroad, for helping them understand Japan and for deepening friendship with Japan.

In order to harmonize the historical sites with the natural environment of the area, this house was created in a sophisticated traditional Japanese style, with a hip-and-gable roof which is called Irimoya. Also included is the free architectural design based on the decorative alcove, which is called Sukiya. Another special feature is the formal style fence called Tsuijibei, which is made by pounding a mixture of mud and clay and placing it between wooden frames. To build this house, many artisans, including Sukiya style carpenters, plasterers, special gardeners and metal foil cutters collaborated on special techniques which are recognized as traditional accomplishments in Kyoto. Interior design features include Nishijin fabric picture fittings called Makie, which are sprinkled with flecks of gold, silver or beautiful paint. Moreover, carefully selected lacquer ware that exemplifies tradition and excellent craftsmanship augments the graceful interior decor.

The Kyoto State Guest House offers a sense of hospitality based on original Japanese culture which makes it unique compared to the Western style of the State Guest House, Akasaka Palace, Tokyo.


京都迎賓館庭園‐ていえん‐ 庭屋一如


京都迎賓館の庭園は、深山幽谷から流れ出る水が注ぎこむ広大な池が、まわりの建物に融け合うように配置されています。これが、古くから日本人の住まいに貫かれた伝統「庭屋一如(ていおくいちにょ)」を表現しています。

池には錦鯉が放たれており、賓客は鯉のエサやりや舟遊びを楽しまれます。


ZIPANG TOKIO 2020「京都迎賓館一般公開について Public Opening of the Kyoto State Guest House 【 内閣府 】」
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ZIPANG-8 TOKIO 2020

日本の精神文化と国土の美しさについて再発見その1. 全世界との情報の共有化その2. 偏り、格差のないローカリティの尊重!その3. 美しきものへの学び、尊敬、関心を高める教育と推進

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