ZIPANG-8 TOKIO 2020「いしかわ伝統工芸フェア2024」石川県36業種の工芸品約二万点即売&石川のうつわの哲学と題した講演会を開催!


令和6年1月1日午後4時10分頃発生した、
能登半島地震で被害を受けた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。(編集局)



                   九谷焼


輪島塗、九谷焼、山中漆器、加賀友禅、金沢箔など、石川県内36業種の工芸品約二万点を揃えた展示販売会「いしかわ伝統工芸フェア2024」が開催されます。


北陸新幹線県内全線開業PRブースや、銀座ロフトとコラボしたいしかわのカジュアル工芸コレクション、工芸体験会なども企画しています。


石川県内の伝統工芸の産地も令和6年能登半島地震で大きな被害をうけましたが、伝統の技を守るため復興に向けて頑張りますので、ぜひ応援をお願いします!



開催期間:2024年2月16日(金)~18日(日)  10:00~17:00 (最終日は16:00まで)

開催場所:東京国際フォーラム B1 ロビーギャラリー(JR有楽町駅そば)


【主 催】石川県伝統産業合同見本市実行委員会

【構 成】石川県伝統産業振興協議会/石川県/金沢市/七尾市/小松市/輪島市/珠洲市                  /加賀市/羽咋市/白山市/能美市/川北町/金沢商工会議所

【後 援】石川県商工会議所連合会/石川県商工会連合会/(株)北國新聞社


石川県内36業種の伝統工芸

江戸時代、加賀藩主・前田家が推し進めた文化振興策によって、石川県には現代まで受け継がれる華やかな工芸文化の数々が花開きました。


「九谷焼」をはじめとする焼き物、「輪島塗」、「山中漆器」や「金沢漆器」に代表される漆芸、「加賀友禅」、「牛首紬」や「加賀繍」のような着物、

現在も金箔の全国シェア99%を誇る「金沢箔」、 漆芸や木工芸の技を盛り込んだ「金沢仏壇」や「七尾仏壇」などなど。


石川県の伝統的工芸品36業種には、
百万石文化の歴史と進化の足跡が刻まれています。


国指定伝統的工芸品


輪島塗

輪島塗の特徴は、輪島特産の「地の粉(珪藻土の一種)」を漆に混ぜて繰り返し塗る本堅地技法や、木地のいたみやすい上縁に生漆を塗る「地縁引き」などの丁寧な手作業から生まれる堅牢さにあります。使いこむごとに美しさを増す輪島塗は、用と美を兼ね備えた漆器です。


山中漆器

山中漆器の特徴は、漉櫨を使った挽物技術にあります。木地の肌に極細の筋を入れる加飾挽きは、山中漆器が最も得意とするものです。また、豪華な高蒔絵を施した茶道具、特に、棗の制作には定評があります。


加賀友禅

加賀友禅の特徴は、「加賀五彩」といわれる燕脂、藍、黄土、草、古代紫などの色を基調にして描かれる花や植物、風景など自然をモチーフにした写実的なデザインにあり、武家風の落ち着いた気品があるといわれています。


九谷焼

九谷焼の特徴は、さまざまな色絵装飾(上絵付)にあります。素朴で豪快な「古九谷風」、全面に赤塗りで人物などを描く「木米風」、花鳥山水等を描いた彩色金欄手で有名な「庄三風」などがあります。


金沢仏壇

金沢仏壇の特徴は、上品な蒔絵の美しさにあります。耐久性を重視した木地、木肌を生かした彫刻、加賀彫りの金具、障子の紗生地に金糸の刺繍、蒔絵に施された象牙や青貝の象嵌、金箔を多用した加飾から「蒔絵仏壇」ともいわれています。


金沢箔

金沢箔の特徴は、金の輝きを失わせることなく1万分の4ミリ以下の厚さ、10円硬貨大のものを畳1枚の広さにまで均一に広げる職人の技術にあります。さらに気候風土や水質が製箔に適していたことで、金沢は金箔の国内生産の98%以上を占めるといわれています。


七尾仏壇

七尾仏壇の特徴は、堅牢な作りにあります。主に能登の農家向けに受注生産されてきたので、扉は何層式にも折られる大型のものが作られ、運搬に便利な解体できる「柄組み」という技法も開発されました。


金沢漆器

金沢漆器は量産よりもむしろ一品物の美術工芸品といった趣が強く、調度品や茶道具が主に作られています。堅牢な塗りと高蒔絵、肉合研出蒔絵などの高度で繊細な加飾の「加賀蒔絵」として知られています。


牛首袖

牛首袖の特徴は、釘に引っ掛けても反対に釘が抜けてしまうといわれるほどの丈夫さにあり、別名「釘抜紬」とも呼ばれています。2匹の蚕が入っている「玉繭」から直接糸を引き出して製糸しているため、絹糸は太くて節があり、素朴な美しさをもっています。


加賀繍

加賀繍の特徴は、模様が生地の表裏とも同じであるため糸切れなどの補修が容易であることや、肉入れ刺繍やポカシなど立体感のある技法から生まれる豪華で繊細な表現にあります。一針一針丹精に作成される加賀繍は、金糸・銀糸などを多用しながらも気品にあふれています。


石川県指定伝統的工芸品


和紙

金沢市の二俣は献上紙漉き場として加賀藩の庇護を受け、加賀奉書、杉原紙、高壇紙など高級な公用紙が漉かれていました。このほか県内には金沢市の「西ノ内紙」、川北町の「雁皮紙」、輪島市の「画仙紙」などがあります。


美川仏壇

美川仏壇の特徴は、漆を何層にも塗り固めたものに型を用いて立体的な紋様を施す「堆黒」の技術にあります。秋田ヒバやイチョウを使った太くて丈夫な木割や錆地による堅牢な下地塗をもとに・内扉に研出などが多用されています。


桐工芸

金沢の桐工芸の特長は、蒔絵加飾にあります。木目の美しさに華麗な蒔絵を施している工芸品は全国でも数少ないものです。耐湿、耐火性に優れている桐の特性を生かした桐火鉢や花器、灰皿、菓子器などが生産されています。


檜細工

軽くて通気性も良く丈夫な檜細工は、山仕事や農作業用の笠として発展しました。現在は、檜笠のほか網代天井やかご、花器なども作られており、素朴な民芸品として親しまれています。


珠洲焼

現在の珠洲焼は、長らく途絶えていた珠洲焼を昭和51年に復活させたもので、須恵器の系統を継ぎ、粕薬を使わずに穴窯で焼き締める技法を用いています。珠洲の土は鉄分が多く、1200度で焼くと薪の灰が溶け、それが自然の粕薬となって渋い黒灰色となります。


加賀毛針

加賀毛針は、原材料に野鳥の羽毛を使い、その接合部分に漆や金箔を施すなど、美しさと気品にあふれています。また、高度な技術により丈夫で機能性にも優れ、大切に使えば100尾以上の鮎があがるといわれています。


銅鑼

材料は錫と銅の合金である砂張と呼ばれる合金が使われています。 鋳型に流し込んで形成し、表面をまんべんなくたたいて金属を締めた後、焼き入れ、色付けを経て完成した銅鑼は、深い余韻を残した柔らかな音色で茶事席を静めてくれます。


七尾和ろうそく

安定した美しい炎が好まれる和ろうそくは、芯作りが重要です。イグサの髄を下地の和紙に巻きつけ、特殊なのりをつけた真綿で仕上げた芯はしっかりとした太さを持ち、安定した炎を作り出します。


能登上布

崇神天皇の皇女がこの土地に上布の作り方を伝えたことが起源といわれています。織幅に十文字絣を120個から140個織り出す絣合わせの正確さに定評があり、上布の最高級品とされています。


能登花火

割り物と呼ばれる打ち上げ花火は、星・割薬、玉皮・導火線の4つの部分から構成されています。この中で「星」と呼ばれる火薬の塊が、光や音となって空中を飛ぶ、花火の命にあたる部分です。1つの花火にはこの星が、百個から数百個組み込まれています。



稀少伝統的工芸品


大樋焼

大樋焼は、茶道と深く関わりながら発展してきた焼き物で、現在では茶碗、水指、花入のほか食器なども作られています。土作りから本焼きまで一貫して手作業で行われ、特徴である飴色の紬薬には雪国にふさわしい素朴で暖かい味があります。


加賀竿

加賀竿は、全天候に対して耐久性があり、かつ軽く扱いやすくするため、若竹を高熱加工して強靭さをもたせ、さらに漆塗で補強と装飾性を加えています。このようにして長期使用にも耐えられる堅牢さをもった実用的な美術工芸品ともいえる加賀竿が出来あがります。


木彫(加賀獅子頭)

前田家藩主・利家の入城祝いの獅子舞から発展した加賀獅子頭は、八方睨みの眼光も鋭く他産地のものより大きなのが特徴で、原木には白山麓の桐が使われています。かつては、町の守護として各町内に1基、それぞれに名工の手による作品が所蔵されていました。


加賀象嵌

象嵌とは、鉄や銅合金などの地金の表面を彫り、色彩の異なる金や銀、四分一(銀と銅の合金)などを埋め込んでいくものです。加賀象嵌の特徴は、この埋め込んだ金属が抜け落ちないように表面より奥が台形型に広くなっている「平象嵌」という技法にあります。


加賀提灯

加賀提灯は、竹ヒゴを1本1本切断して骨にすることで、螺旋状に巻いたものとは異なり、伸びが多く、1本が切れても全部がはずれることがない丈夫なものになりました。現在では祭礼用や装飾用として製作されています。


加賀水引細工

水引は、元来贈り物の飾りとして主に祝事に用いられました。語源は、麻などを水に浸して皮を剥ぎ、紐としたことにあるといわれ・紙の発達と同時に美しい水引ができたものと伝えられます。松竹梅や鶴亀、宝船飾りなどに加え、近年では人形も作られています。


金沢表具

金沢表具は、京表具の流れをくみ、百万石文化を反映してどっしりとした渋い仕上がりが多く、寸法は金沢の町家に合わせ、京寸法より短めです。現在は金沢市を中心に古い掛け軸などの文化財の修復にも携わるなど、高度な技術を誇っています。


金沢和傘

金沢和傘は、傘の中心部に和紙を4重に張るとともに周辺部に糸を二重・三重に張り、破損しやすい部分を補強するなど、丈夫なことが特徴です。戦後、丈夫で安価な洋傘に押されて需要は減りましたが、丈夫な金沢和傘は今も根強い人気があります。


郷土玩具

城下町金沢の郷土玩具としては、獅子舞や加賀鳶の姿の「加賀人形」、姫だるまの「加賀八幡起上り」、「米喰いねずみ」、「もちつき兎」などがあります。もともと子どもたちの玩具ですが、縁起をかついだり、誕生祝いや病気見舞いにも使われているものもあります。



江戸時代には武家の女性の教養の一つとして数えられていた琴は、明治以降も女性のたしなみとして城下町金沢の生活に根づいていました。金沢の琴の特徴は、蒔絵や螺鈿をふんだんに使った雅なものが多く、楽器の域を超えて芸術品や装飾品といった趣があります。


三弦

三弦は通称「三味線」と呼ばれ、邦楽や民謡、長唄には欠かせない民俗楽器として、遊芸の非常に盛んな金沢にいまでも受け継がれています。今も常磐津や長唄を習う人の多い金沢では、三弦の生産が行われています。


太鼓

石川の太鼓は音が良いことで全国に知られています。原木のケヤキやセンなどの乾燥から始める一貫作業によって作られており、特に皮は江戸時代初期から伝わる技法と霊峰白山を源とする手取川の清流によって鍛えられ、優れた耐久性と独特な音色が生み出されます。


竹細工

茶道や華道の隆盛と共に発展してきました。以来、生活用品も多く作られてきましたが、工業製品の台頭でそれらは減少し、現在では、網代編を主体とした高度な模様編で茶道具や花器などが作られて います。


茶の湯釜

昔のナベや釜などをつぶした「和鉄」を熔かして、外型と中型の間に流し込んで成型した後、酸化鉄で色を付けて仕上げます。30~50もの種類がありますが、その形は時代とともに変化してきています。茶道の盛んな金沢で脈々と受け継がれてきた工芸品です。


鶴来打刃物

鶴来町はその名にもあらわれているように、刃物鍛治が盛んな土地柄で、農耕用から山林用、家庭用まで、生活の中に息づく刃物を作り続けてきました。現在も注文に応じて、非常に珍しくなった「野鍛治」により、クワ、カマ、ナタなどを作っています。


手捺染型彫刻

友禅や小紋の柄や紋様を染めるための型紙彫刻です。薄い楮和紙を縦横に柿渋で張り合わせた紙を切り抜いてゆくのですが、その技法は半円形の小錐を使う錐彫や、正方形や星型などの文様に合わせた道具を使う道具彫りなどがあり、精級な文様を彫り上げてゆきます。



【講演会】「石川のうつわの哲学」


講師:十一代大樋長左衛門さん


いしかわ観光特使でもある11代大樋長左衛門さんを講師に迎え、「石川のうつわの哲学」と題した講演会を開催します。貴重なお話を聞きにぜひご来場ください。

※入場無料、事前予約制です。公式ウェブサイトからお申込みください。
(先着申込:50名様)

開催日時:2024年2月17日(土) 14:00~15:30

開催場所:東京国際フォーラム 610会議室

お問い合せ:石川県伝統産業合同見本市実行委員会 電話:076-256-1337


ご挨拶

「いしかわ伝統工芸フェア2024」は
2024年2月16日〜18日に東京国際フォーラムB1ロビーギャラリー
JR有楽町駅前にて開催されます。

石川の伝統工芸の最新作約20,000点の品がフェア特価でお買い求めいただけます。

令和6年能登半島地震で、ご心配をおかけいたしましたが一部のステージ催事を除いて、各種催事も多数取り揃え皆様のお越しをお待ち申し上げます。よろしくお願いします。

                                                                  2024年2月吉日

                                                                  石川県伝統産業合同見本市実行委員会一同



鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使


協力(順不同・敬称略)

石川県伝統産業合同見本市実行委員会
〒920-8639 石川県金沢市尾山町9−13(金沢商工会議所 経営相談グループ内)
電話:076-256-1337

石川県 〒920-8580 石川県金沢市鞍月1丁目1番地 電話:076-225-1111(代表)

公益社団法人石川県観光連盟
〒920-8580 石川県金沢市鞍月1丁目1番地 電話:076-201-8110

石川県名古屋観光物産案内所
〒460-0008愛知県名古屋市中区栄4丁目16番36号久屋中日ビル3階電話:052-261-6067

紅山子(こうざんし)


※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。



アーカイブ リンク記事ご覧ください。


山代温泉 古総湯 ライトアップ


山代温泉 古総湯大浴場


明治時代の総湯(温泉の共同浴場)を復元した「古総湯」が山代温泉の湯の曲輪に誕生しました。 こけら葺きの屋根と二階の窓が印象的な外観、内装には当時、最先端だったステンドグラスが湯船に鮮やかな光をおとし、壁は拭き漆、タイルにはこれまた当時のままの絵柄を忠実に再現した九谷焼がほどこされています。


九谷焼と旦那衆の文化が香る

山代温泉

戦国武将である明智光秀が傷を癒しに湯治に訪れたという山代は、遠い昔から全国に名を馳せる温泉地でした。

そんな名湯には、与謝野鉄幹や与謝野晶子、泉鏡花、吉井勇など文人墨客も好んで訪れています。

中でも北大路魯山人と山代の関わりにはたいへん深いものがありました。

魯山人は、書家、美食家、陶芸家、料理人など多くの肩書きを持つ昭和の文化人。

その才能開花の一助を果たしたのが実は山代温泉街の旦那衆でもありました。魯山人は旅館の離れに住まいながら、看板を彫り、舌を肥やし、九谷焼の名工・須田靑華から陶芸の手ほどきを受けたのです。

現在離れは「魯山人寓居跡いろは草庵」として公開されており、苔むした中庭を望む板の間でしばし静寂に浸れば、山代の滋味がきっと実感できるでしょう。このように文化的土壌が豊かなのは九谷焼きのふるさとでもあるから。

山代は豪商・豊田伝右衛門が古九谷と並ぶ名品を生み出した吉田屋(豊田家の屋号)窯が残る地。「九谷焼窯跡展示館」では巨大窯跡の見学、絵付けやろくろ体験もできます。

また温泉街には、総湯周辺の「湯の曲輪(がわ)」や紅殻格子の風情溢れる「はづちを楽堂」、五十音図の創始者・明覚上人にちなむ「あいうえおの小径」が設けられた薬王院温泉寺など見どころもたくさん。

ぶらりとそぞろ歩きが楽しめます。


北大路 魯山人寓居跡 いろは草庵


魯山人寓居跡 いろは草庵


若き魯山人の息づかいを感じる…


魯山人寓居跡 いろは草庵

金沢の文人・細野燕台の食客となった魯山人は、大正4年秋から翌年春までの約半年間、山代温泉に滞在し、菁華窯などの刻字看板を彫っていました。

その寓居を当時そのままに公開しているのが、「いろは草庵」であります。仕事場や書斎、囲炉裏の間が見学できるほか、土蔵を改装した展示室では作品も展示しています。

山代温泉の旦那衆は、当時まだ無名であった魯山人の才能を認め見出したのです。

この山代温泉で魯山人は燕台の煎茶仲間でもある初代・須田菁華から陶芸の手ほどきを受けて以来、刻字看板制作の傍ら菁華窯に通い作陶に力を注ぎました。

山代は、魯山人の才能を開花させた地ともいえるのです。

後年この別荘をたびたび訪れた魯山人は、旦那衆と書画、骨董について語り合い、旬の食材を用いた料理を味わい、美食談義に花を咲かせたという。

晩年には、「私ハ先代菁華に教へられた」(昭和30年・金澤美術倶楽部の講演の演題)と述べています。亡くなる4年前のことでした。

故郷をもたない魯山人にとって山代の地は、心許せる居心地のよい場所であったにちがいない。


(詳細は下記のURLよりご覧ください。)


ZIPANG-4 TOKIO 2020 古今折衷 加賀温泉郷と加賀市の~未来~
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7485862



地元に生まれたものにしか伝承されない御陣乗太鼓



御陣乗太鼓由来

天正4年(西暦1576年)越後の上杉謙信は、能登の名城であった七尾城を攻略して「霜は軍営に満ちて 秋気清し 越山を併せたり 能州の景」と詠じ、その余勢をかって奥能登平定に駒を進めた。


現在の珠洲市三崎町に上陸した上杉勢は、各地を平定し天正5年、破竹の勢いで名舟村へ押し寄せてきた。武器らしいものがない村人達は、鍬や鎌まで持ち出して上杉勢を迎撃する準備を進めたが、あまりにも無力であることは明白であった。


しかし郷土防衛の一念に燃え立った村人達は、村の知恵者といわれる古老の指図に従い、樹の皮で仮面を作り、海藻を頭髪とし、太鼓を打ち鳴らしながら寝静まる上杉勢に夜襲をかけた。上杉勢は思いもよらぬ陣太鼓と奇怪きわまる怪物の夜襲に驚愕し、戦わずして退散したと伝えられている。


村人達は名舟沖にある舳倉島の奥津姫神の御神徳によるものとし、毎年奥津姫神社の大祭(名舟大祭・7月31日夜から8月1日)に仮面をつけて太鼓を打ち鳴らしながら神輿渡御の先駆をつとめ、氏神への感謝を捧げる習わしとなって現在に至っている。


御陣乗太鼓の発祥の地である名舟町は、輪島塗、朝市などで有名な輪島市街地から13Kmほど東にある海沿いの半漁村でしたが、現在では漁師は数少ない存在となっています。名舟町は70戸ほどの小さな町ですが、夏の大祭にかける意気込みは相当なもので、町をあげて祭りの準備に取り掛かり、一年の集大成というような気持ちで祭りに臨んでいます。


太鼓のリズムは始めはゆっくり、次いでやや早く、最後は最も早く打ち切る。すなわち、序・破・急の三段で打ち、これを何回も繰り返す。その間、打ち手は自由な形でミエを切るが、面に応じた身振り、身のこなしなど個性的な芸を入れるのです。非常に速いテンポで動きも早いだけに最後まできれいにその真髄を発揮して打ち切れる者は少ない。


それだけに各地の太鼓に比べ、リズム所作等がかもしだす異様な雰囲気には一種独特な迫力があり、人々の心に強く食い込んでくるのではないでしょうか。また、御陣乗太鼓は打ち手だけのものではなく、名舟町全体のものであることもこの太鼓の特徴でしょう。

昭和36年に輪島市指定文化財に、昭和38年には石川県無形文化財に指定される。


(詳細は下記のURLよりご覧ください。)


ZIPANG TOKIO 2020「『名舟大祭』天下一の越後の龍でさえ恐れを為した、地元に生まれたものにしか伝承されない御陣乗太鼓が鳴り響く!」
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/2702459



※現在、2200件余の記事掲載、下記のサイトからご覧ください。


ZIPANG-7 TOKIO 2020 (VOL-7)
https://tokyo2020-7.themedia.jp/


ZIPANG-6 TOKIO 2020 (VOL-6)
https://tokyo2020-6.themedia.jp/


ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)
https://tokyo2020-5.themedia.jp/


ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)
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ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)
https://tokyo2020-3.themedia.jp/


ZIPANG-2 TOKIO 2020(VOL-2)
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ZIPANG TOKIO 2020 (VOL-1)
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/


新サイトの記事をご覧いただけます。

ZIPANG-8 TOKIO 2020 (VOL-8)
https://tokyo2020-8.themedia.jp/


ZIPANG-8 TOKIO 2020

日本の精神文化と国土の美しさについて再発見その1. 全世界との情報の共有化その2. 偏り、格差のないローカリティの尊重!その3. 美しきものへの学び、尊敬、関心を高める教育と推進

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