ZIPANG-8 TOKIO 2020世界遺産 石見銀山【石州瓦物語】 出雲・伊勢・津和野 ~リバイバル"Revival"~(Ⅴ)


令和6年1月1日午後4時10分頃発生した、能登半島地震で被害を受けた
皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。(編集局)


                                                   出雲大社 御本殿


古代出雲大社御本殿                                                                                   森美術館



現代、日本海側は『裏日本』とか『鄙(ひな)の国』などと言われていますが、遠い昔、弥生時代(紀元前4~500年から紀元後300年くらい)は
日本海側が『表日本』であり、日本海を通じて様々な交流が行われていました。


出雲大社 神楽殿


出雲大社「神楽殿」

唱 歌 「一月一日」


(一)

年の始めの 例(ためし)とて 終りなき世の めでたさを

松竹立てて 門ごとに 祝う今日こそ 楽しけれ


(二)

初日の光 さし出でて 四方(よも)に輝く 今朝の空

君がみかげに 比(たぐ)えつつ 仰ぎ見るこそ 尊とけれ


「年の始めの例(ためし)とて」の歌い出しで人々に広く歌い継がれ、現在でもお正月のテレビ番組などでよく聞かれる唱歌「一月一日」は明治28年、明治政府によって元旦拝賀式(はいがしき)の奉唱歌として定められました。元旦拝賀式とは元旦に全国の小中学校の生徒たちが登校して行なわれた新年の祝賀式典です。


出雲大社 初詣


そして、この唱歌「一月一日」の作詞者が第80代出雲國造(こくそう)・出雲大社宮司の千家尊福(せんげたかとみ)氏です。作曲者は宮内省の雅楽長であった上真行(うえさねみち)氏でした。尊福宮司は出雲大社の布教機関である出雲大社教の初代管長をつとめた他、貴族院議員や静岡・埼玉・東京の各知事をはじめ、司法大臣などを歴任した政治家でもありました。


この唱歌の第二節は当初、「初日のひかり 明(あきら)けく 治まる御代の 今朝の空」でした。「明けく治まる」と「明治」を読み込んだ時代が終わり、大正となった同2年、現在の歌詞に改められました。


兎にも角にも、今なお多くの人々に歌い継がれるこの唱歌は、年の始めにあたり御皇室の弥栄と国家国民の永遠の繁栄を祈り祝して歌われ続ける日本人の“こころの歌”なのです。


なお、1月5日に行なわれる「説教始式」では神楽殿の大広間に集った参列者、出雲大社職員一同全員が、この唱歌を歌って年の始めをお祝いします。また、神楽殿の脇にはこの歌碑が建立されており、初詣の参拝者で賑わうお正月、境内ではこの歌が終日流れており、メロディーに誘われるように口ずさむ参拝者の歌声が、どこからともなく聞こえてきます。


出雲大社「御本殿 観察楼」


出雲大社 御本殿・拝殿・銅鳥居


出雲大社「大鳥居」


神話の国の“瓦物語~こぼれ話~”

“おかげ”さまで、愛知の三州瓦と島根の石州瓦に“ご縁”がありました。




三重県伊勢市


伊勢神宮内宮 宇治橋 冬至




石州瓦は赤瓦だけじゃない!

3年以上前になりますが、2015年(平成27年)8月22日(土)放送のNHK総合「ブラタモリ #15 出雲 ~出雲はなぜ日本有数の観光地となった?~」をご覧になった方も多いのではないでしょうか。


「ブラタモリ」は街歩きの達人・タモリさんが、“ブラブラ”歩きながら知られざる街の歴史や人々の暮らしに迫る番組で、2015年(平成27年)8月22日(土)放送の舞台は島根県出雲市でした。その中で「・・・石州瓦・・・」という言葉は出てきませんでしたが、JR 旧大社駅や神門通りの街並み、そして恵比寿・大黒さん付棟端飾り瓦などが紹介されました。


“石州瓦=赤瓦(来待瓦)”というイメージが強いですが、
石州瓦は赤瓦だけではありません!


(詳細は下記のURLよりご覧ください。)


ZIPANG-2 TOKIO 2020~石州瓦物語(外伝)~

「石州瓦は赤瓦だけじゃない!『ブラタモリ 出雲(いずも)』【寄稿文】佐々木啓隆」
https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/5496350



石州赤瓦の似合う町をたずねて・・・
日本で唯一、聖母マリアが降臨された地 ~津和野~


津和野に行きたくなりました・・・大きくて見事な紅色の花の百日紅ですね~。
漆喰の白壁に石州赤瓦がよく似合っています。


津和野 殿町通り なんとな涼やかな・・・


きっと、いつの日か花菖蒲は咲いて、川にはいつも錦鯉が泳いでいるのでしょうね~
景色は刻々と変化してゆきますが、人情だけはいつまでも変わらないで欲しいですね…


「つわぶきの里」伝説

津和野は「つわぶきの生い茂る野」をその名のルーツにもつといわれています。

遠い昔、山紫水明 のこの地に住みついた人々は、群生する「つわぶき」の可憐な花に目をとどめ、その清楚で高雅な風情に魅せられ、自分たちの住む里を「つわぶきの野」・・・ 「つわの」と呼ぶようになったという。


津和野 里山を走るSL


現代の「つわぶきの里」SLの紫煙、そして森林の上の朱色の鳥居。まるで、石州赤瓦のためにあるような景色ですね~田んぼの緑も目に鮮やかです。


このような伝説をもつ当地域の歴史は古く、縄文時代までさかのぼる。町教育委員会の調査によれば、今から約1万年前の縄文時代早期から人々が住んでいたことが確認されています。


これまでに町内各所で遺跡が発掘されており、石斧、土器、石器などが採集されています。


これらの発掘により、当地域は縄文時代後期には九州文化圏の影響 を受けていたこと、そして、約1700年前の古墳時代前期の土器により当時、山口地方と山陰地方を結ぶ交通の要所として両方の文化が交流する重要な場所で あったことなどが分かっています。


また、平安時代の前半頃(約1200年前)の土師器や須恵器、緑釉陶器とともに、4枚の承和昌宝という銅銭も発見されており、承和10(843)年には能濃郷の成立、稲作の水田開発が進み、津和野川流域で集落が形成されたことがうかがえます。


乙女峠のマリア聖堂

キリシタン殉教の悲話を伝える、聖母マリア出現の聖地


津和野 乙女峠 マリア聖堂


津和野 乙女峠「信者の道」


マリア聖堂は、その愛らしい名前とはうらはらに、キリシタン殉教の地である乙女峠に建つ石州赤瓦の聖堂。昭和26年建設。


キリスト教が厳禁だった明治元年に長崎から送られてきた153人の隠れキリシタンは、津和野藩の改宗のすすめに応じず、ついに拷問によって36人が殉教の道を選びました。


その際、日本で唯一、聖母マリアが降臨された地といわれています。
ステンドグラスにはその悲しい様子が描かれています。

津和野駅から徒歩20分 見学無料

電話:0856-72-0251 (津和野カトリック教会)


「縄文と赤」と聞くと真っ先に頭に浮かぶのは、芸術家「(故)岡本太郎」氏。以前に聞いたお話をご紹介します。


芸術家 岡本太郎氏                          ©鎹八咫烏


Q、岡本先生は何色がお好きですか?一般的に大人になると色の好みが変わってくるんでしょうか?

岡本 僕はそういうことはないです。僕は赤が好きなんですけどね、それに対抗するブルーとか。

あらゆる色が好きですが、特に赤が印象的な理由は、赤というのは、命そのものみたいなところがありますよね。血液の色、血だらけになった時などの。そして赤は死を意味するし、また逆に生きてることも象徴するしね。原色は昔からずっと好きです。


Q、パリ以外で、印象に残っている日本の町は?

岡本 大分ですね、母の生まれ故郷で子供の頃疎開していたからね。


Q、そう言えば、大分駅の南出口正面の薬局のビルの壁面が岡本先生の作品でビックリしました。薬局のご主人に尋ねると「間違いなく岡本太郎先生の作品です。断られて元々と思って手紙で依頼したところ、大分は母のふるさとだからといって引き受けていただいたのには、依頼したほうが本当に驚きました」って言っておられましたよ。
他には『何だ、これは!』という町はありませんか?


岡本 そう。そんなに喜んでもらえれば嬉しいですね。

う~ん。新潟や…特に印象に残っているのは、出雲大社や石見銀山のある海に面したすべて赤で統一された瓦屋根の町とそれに対抗する
日本海の深い青の海の色です・・・


日本海 冬の石見の海 江津市和木町               編集局イメージ


続きは機会があればご紹介いたします。

今は亡き、しかしいつもお側に感じる岡本太郎先生を偲びながら〜 合掌


(詳細は下記のURLよりご覧ください。)


ZIPANG-2 TOKIO 2020~石州瓦物語 続編(その1)~

「石州赤瓦の似合う町をたずねて 。日本で唯一、聖母マリアが降臨された地 ~津和野~ 」
https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/5585360


余滴


後鳥羽上皇を御祭神とする隠岐神社(隠岐の島 海士町)


日本海 隠岐の島

後鳥羽院の御歌「人も惜し 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに ものを思ふ身は」


鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使


協力(敬称略)

紅山子(こうざんし)


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ZIPANG-8 TOKIO 2020

日本の精神文化と国土の美しさについて再発見その1. 全世界との情報の共有化その2. 偏り、格差のないローカリティの尊重!その3. 美しきものへの学び、尊敬、関心を高める教育と推進

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